第37章 その先にある未来
澤村先輩って、結構な鈍感・・・とか?
同じ中学出身とか、バレー部同士だったとか。
多分そういうの・・・関係ないと思うんだけどなぁ。
『大地さんて、なんかこう、きっと恋愛に苦労するタイプですね・・・うん、きっとそう』
考え過ぎて皺が寄り添うな眉間を指で解しながら言えば、澤村先輩が深く息を吐いたのを感じて顔を見る。
澤「あはは、そういう苦労なら・・・もうしてるよ」
『そうなんですか?じゃあ、大地さんの想い人も結構な鈍感さんなんですね』
澤「そうだね・・・いろんな人から思われてるだろうに、本人は全っ然・・・気付いてないっていうか」
そこまで鈍感さんなの?!
それは大変ですね・・・と笑って見せて、そう言ってる大地さんも近いものがあるかもですよ?とまた笑った。
影「城戸、昼休み終わっちまうから早く用件」
『あ、そうだった!大地さん、大会に向けてまだ足りないものとか、新たに追加して用意して欲しいものとかありますか?もしあったらリストアップしてくれたら当日までに用意したいんですけど』
澤「う~ん・・・大概のものは清水と紡が揃えてくれてるから大丈夫じゃないかな?一応、スガとか旭にも聞いてみるけど。あとは武田先生やコーチが必要なものとかは?」
先生や繋心が必要なものって、あるんだろうか?
それはさすがに直接聞いた方が早いよね?
『じゃあ、先生と繋心のは私が直接聞いてみるので部の方はリストアップお願いします』
澤「了解。あ、予鈴が鳴ってる・・・2人とも授業に遅れないように教室戻りなさいな」
『はい!じゃあまた放課後に。行こう影山』
軽くお辞儀をして、影山と同時に駆け出した。
教室の前まで戻ってから影山が私の顔を見て・・・
影「そういや城戸。お前さっき澤村さんにメガネ外されたままだぞ」
『あっ・・・忘れてた・・・でもあれはフェイクだからなくても授業は全然問題はないよ?』
影山に言われてから目の周りが物足りない感じがするのは確かだけど、まぁこの際・・・仕方ない。
『放課後になったら体育館で会うんだし、その時でも平気だから』
教室入ろ?と影山の背中を押して席まで辿り着くと同じくして、教科担任が名簿を抱えて入って来た。
私はその時、この後メガネの事でちょっとした騒ぎが起こるとは・・・予想もしていなかった。