第37章 その先にある未来
繋「それから・・・あぁ、こことは前に練習試合したんだってな。セッターでありながら攻撃力はチームいち、もちろんセッターとしても優秀。総合力でも恐らく県内トッププレイヤーの及川徹率いる・・・青葉城西だ」
日「大王様・・・!!」
・・・青城。
確かに、勝ち進むためには、その壁を超えなければ次には進めない。
青城には、及川先輩だけじゃない。
ハジメ先輩だっている。
それに、国見ちゃんや金田一君だって。
繋「ここは去年のベスト4だな。あとは超高校級エース牛島若利を要する、王者・・・白鳥沢だ。ま、今んトコこんな感じだな。詳しいことは、またその内って感じで」
凄い・・・繋心がコーチっぽい・・・
あ、いやいや、ちゃんとコーチ・・・なんだけども。
ポリポリと鼻の頭をかきながら見れば、澤村先輩と菅原先輩も、繋心を見て・・・る?
繋「お前ら、いまなんか失礼なこと考えてねぇか?」
「「 全然 」」
フルフルと揃って首を振る2人に、絶対同じことを考えてたんじゃないかと小さく笑う。
繋「あと紡、お前さっきからオレ見てニヤニヤしてんじゃねぇ!」
『あいたっ!』
一撃を食らったおデコを押さえながら、繋心にべーっ!と変顔を向けた。
繋「ま、この辺がオレ的な今年の四強だ。と言って見たものの上ばっかみてっと足元を掬われることになる。大会に出てくる以上、負けに来るチームなんかいねぇ・・・全員、勝ちに来るんだ。オレたちが必死こいて練習してる時は、当然そいつらも練習してる。弱小だろうが強豪だうろが同じだ。それを忘れんなよ?」
なんか、いつもの繋心と違って、ホントにちゃんと色々と調べてくれてる事に感動する。
繋「そんで、そいつらも誰にも・・・もう飛べない烏なんて呼ばせんな!」
「「 ッス!!! 」」
繋「よし!じゃ練習始めんぞ!清水と紡はボール出し手伝ってくれ。桜太と慧太は各ポジション別に細かい指導とか出来たら頼む。いまは人手が欲しい」
慧「了解、繋心コーチ」
繋「頼むから、お前がそう呼ぶのヤメロ」
2人のやり取りに笑いながらも、みんながそれぞれポジション別に集まっていく。
清「これが、私達3年生にとって・・・いい大会で終われたら・・・」
ぽつり呟く清水先輩の言葉に頷きながら、私達もボール出しを手伝うために歩き出した。