第37章 その先にある未来
こんなんって···桜太にぃ何気に繋心に失礼だよ。
『っていうか、どうして桜太にぃと慧太にぃが学校に?今日は···あ、そっか!桜太にぃは当直明けで休みなんだっけ?···でも、慧太にぃは仕事じゃなかった?』
私が学校に行く時に、慧太にぃも仕事に行く準備してたし···
『まさか···サボり?』
慧「アホか!夕方以降オレ様の予約は入ってなかったから仕事終わりにしたんだよ!」
『予約が入ってなかった?···とうとう自称カリスマ美容師の時代も終わりが来たのか···可哀想に』
慧「お前なぁ···そういうこと言ってると小遣い減らすぞ?いいのか?···大好きな雑貨屋に買い物に行けなくても」
うっ···それは···ちょっと辛い、かも。
部活動に参加してる私にとって、桜太にぃと慧太にぃから貰う小遣いは貴重な収入源でもあり。
普段から無駄遣いはしてはいないけど、減らされると聞いたら、それはそれで···嫌だ。
『慧太にぃ···これからも素敵なカリスマ美容師でいてね?···ねっ?!』
慧「あからさま過ぎてバレバレだっての!」
『···バレたか』
べーっと慧太にぃに舌を見せながら、繋心から渡されたトーナメント表に目を落とす。
桜「烏養も印刷して来たのか?実は俺も気になったからパソコン開けたらトーナメント表が出てたから持ってきたんだよ。部員全員分あるから、もし良かったら」
パサッと桜太にぃが繋心にそれを渡し、部員全員分とか桜太にぃこそコーチみたいな仕事してる···なんて考えたりする。
繋「アイツらにはボードに貼っとくからな?とかでいいかと思ったけど、みんな手持ちがあった方が良かったか···サンキューな」
桜「いや、気にしなくていいよ。それよりみんなには?」
繋「これからだ。ひと通りの練習メニューが終わってからミーティング、とか考えてたしな」
桜「まだ練習中か···烏養、俺も混ざっていい?しっかり寝たし、家の事は終わらせて来たし」
繋「おぅ、みんな喜ぶんじゃねぇのか?大事な大会前だし、少しでもいろんな練習してぇだろうからな」
いやいやいや···繋心、桜太にぃと慧太にぃの格好をよーく見て?
2人とも練習に混ざる気···満々だよ?!
仕事帰りの慧太にぃはともかくとして、桜太にぃはめちゃくちゃジャージ姿だよ!
桜「じゃあ、お言葉に甘えて」