第35章 閉じた思いと、叶わぬ想い
~ 山口side ~
オレとツッキーと、城戸さんと···それから青城の矢巾さん、だっけ?
ありえないメンツでのファミレスでご飯とか、なんか···落ち着かないっていうか。
4人だったから案内された席はテーブル席で、オレとツッキーは隣同士で。
城戸さんは矢巾さんと隣同士で。
そしてオレの向かい側に、その矢巾さんがいて。
ハッキリ言って···気まずい。
『あ、これ美味しい!矢巾さんに選んで貰ってよかった!』
矢「だろ!前に1回食べたけどさ、美味かったもん」
スゲー、気まずい。
『あれ、山口君···あんまり進んでないみたいだけど、お腹空いてなかった?』
「え?!あ、す、空いてる!めちゃくちゃ腹減りだよ!」
味、わかんないけど。
矢「つーちゃん、これ食ってみ?予想外に美味し!」
『どれですか?え···あ···』
城戸さんに向けられるフォークに、城戸さんがちょっと躊躇う。
食べちゃダメだよ城戸さん!
そんなことして食べさせっことか、恋人同士みたいじゃんか!
···ってひとり悶々としてる内に。
『ホントだ、美味しい!』
食べちゃってるしな···
『じゃあ、こっちのもどうぞ?』
うっわー!!!!!!
ダ、ダダダ、ダメダメダメダメ、ダメー!!!!
き、城戸さんって、確かに誰にでもそういう風にするけど!
でも今は、なんかダメだってば!!
ひと口サイズに取り分けた鶏肉をフォークに乗せ、城戸さんがそれを、って、え?!
月「···普通」
ツッキー?!
城戸さんの手を掴んだツッキーが、そのまま引き寄せてパクリと食べる。
『月島君?!』
月「仲良しごっこもいいんだけどさ、いい加減にしないと···いろいろ爆発しそうなヤツがいるんだよね」
チラリとツッキーがオレを見る。
いろいろ爆発しそうって···オレ?!
月「ポチもイヤだろうし?変な想像して変なことされたら」
『変な···想像?』
「ちょっ、ツッキー!オレそんな事しないから!」
ツッキーの怪しげな言葉に、つい大きな声を出してしまった。
月「山口、うるさい。僕は別に山口が夜な夜な何かしてるだとか、言ってないんだけど?そっちの人は、知らないけどね」
夜な夜なとか···してないよ!
じゃなくて!
ホント、ツッキー···爆弾発言やめて···