• テキストサイズ

【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第35章 閉じた思いと、叶わぬ想い


学校が終わってすぐに、矢巾さんとの約束の為に待ち合わせ場所へと急げば、そこには既に矢巾さんは来ていて。

もしかして私、遅れちゃった?!時間を確認すれば···待ち合わせの時間はまだ少し先である事が分かりホッとする。

それでも人を待たせてしまった事には変わりなく、横断歩道が青になるのと同時に矢巾さんの元へと駆け出した。

『お待たせしてすみません!』

矢「全然!オレもいま来たばっかだから平気だよ」

ニコニコしながら矢巾さんが言うけど、さっき見た感じだと···そうは見えないような気がするけど?

矢「それよりさ?今日見ようかなって思ってた映画だけど···」

『あ、はい。矢巾さんは何が見たいですか?』

いま上映している映画の宣伝パネルを見上げて答えれば、矢巾さんは急にソワソワして。

矢「実は先にチケット買っちゃった!ほら、これなんだけど···いい?」

いい?と聞かれても、既にチケットを用意されているんだから、私に拒否権って···多分ないよね??

そう思いながら差し出されたチケットを見れば、そこには恋愛物の題名があって、あ···こっちなのか···と小さく笑う。

矢「え、なんか変だった?」

『そうじゃなくて。ホラーとかだったらどうしよう···とか思ってたので、矢巾さんが見たい映画がこれで良かったなぁ···って』

矢「あぁ、なるほどね。オレもそんなにホラーとか得意じゃないから、その選択はないよ。ついでに言えば子供向けの特撮物とかアニメもね」

『じゃあ、矢巾さんはこの映画に出てる役者さんが好きなんですか?』

なんの疑問も持たずに言えば、矢巾さんは何となく歯切れの悪い返事を返した。

···違うのかな?

矢「ところで···さ?席を隣同士で取っちゃったけど平気だった?」

『大丈夫ですよ?それに、2人で来てるのに席が離れてるのも、なんだか変じゃないですか』

矢「だ、だよね!!···よかった」

『え?』

矢「あ、いや、なんでもない。それじゃ行こうか?飲み物とか買ったりしたいからもう入ろう。はい、お手をどうぞ?」

ニコッと笑いながら手を差し出され、その手を凝視して固まってしまう。

矢「えっと、ほら!今日はデートって言ったじゃん?デートだったら手とか繋いじゃったりするかなぁ?!なんて、···アハハ···ゴメン、調子乗った」







/ 1471ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp