第12章 超絶?!秘密の特訓開始!
練習終了の合図が鳴ると、日向君はその場にへたり込んだ。
慧「おいおい大丈夫か?」
慧太にぃがネットをくぐって側に行くと、先に日向君の様子を見に側にいた桜太にぃがクスクスと笑い出す。
どうしたんだろうと、私と影山も日向君の所まで駆け寄った。
桜「お腹空いたってさ」
そう言って桜太にぃは再び笑う。
慧「健康体の男子高校生そのものだな」
慧太にぃまでが笑いだし、日向君は顔を赤らめた。
桜「カレーたくさん作ってあるから、片付けしたら一緒に食べよう」
その声を聞くと日向君は急に元気になり、張り切り出した。
明日も使うからネットなどはそのままにし、モップがけを念入りにした。
日「汗ビショだから、着替えていい?」
日向君が遠慮がちに横から私に聞いてくる目の前で、影山がいきなりシャツをバッと脱いだ。
『わわっ!ちょっと影山!』
びっくりして顔を背けると、日向君が私と影山の間に入り、私を背中に隠す。
日「おい影山!城戸さんがいるのにイキナリ脱ぐのやめろよ!びっくりしてんだろ!」
日向君の言葉に、影山はチラと脱いで手にしたシャツを見てから、私に視線をよこす。
影「別にこんなの見慣れてんだろ?」
« ゴボッ! »
隣でドリンクを飲んでいた桜太にぃと慧太にぃが同時に吹き出し、むせている。
『ち。ちょっと!!!誤解を招く発言やめてくれる?!』
影「は?俺は別に、お前はアニキしかいないから、見慣れてんだろって言ったんだ!」
『そういう問題じゃないからっ!あ~も~、早くシャツ着なさいよ!』
影「あぁ?!今着るとこだっただろうが!」
日向君を間に挟んだまま、影山とやり取りすると、日向君はクルッと私に向き直り、私を後ろ向きにさせると自分も手早くシャツを着替えた。
それぞれ支度が終わると、みんなでリビングへ戻る。
さすがに私はその場で着替えることが出来ないから、一旦、私の部屋に戻り着替えを済ませてから合流した。
エプロンを着ながらリビングに入ると、キッチンには桜太にぃしかいない。
見回すと、テーブルには影山と日向君。
とりあえず私は、1人でキッチンにいる桜太にぃの所へいく事にした。
『桜太にぃ?私も手伝う』
桜「ありがとう紡、助かるよ」
私は桜太にぃから言われるまま、フルーツをカットしたり、お皿を並べたりして時短になるよう手伝う。