第31章 ステップアップへのチャンス
『東峰先輩はガラスハートかも知れないですけど、でも···それだけじゃない事は、みんな分かってますよ?もちろん私もですけど』
菅「紡ちゃんは、ちゃんとフォローが出来るいい子だなぁ。良かったな旭?」
旭「フォローって···」
澤「フォローだろ」
清「他にある?」
旭「清水まで···」
3年生組が突っつき合って、それぞれの温度を確かめ合う。
どんな事をしても、どんな事を言っても。
ずっと一緒に走って来たという信頼という土台があるからこそ、笑い合えるんだと思う。
だからこそ、これからは···
日「あともうちょいで何とかなりそうなのになぁ!」
月「こんな短時間でどうにかなったら、誰もがスーパースターなんじゃない?」
日「うっせーな月島!オレだっていろいろ考えてんの!」
影「お前は、なにも考えずにいつも飛んでるだろ」
日「影山?!お前はオレの味方なの?!敵なの?!」
山「ほ、ほら!あんまり騒ぐと怒られるから···」
···こっちのメンバーを、なんとかしないと。
西「いいじゃねぇか、どっちでも。翔陽が失敗しても旭さんが頑張ってくれるんだから!」
田「スーパースターは旭さんだけじゃねぇぜ?見ろ···ここにもいるだろ?」
縁「田中···真のスーパースターは、自分で自分の事をスーパースターとは言わないんだよ」
あはは···こっちも、かも。
でも2年生組は縁下先輩がいるから、まだストッパーはあるよね···
と、なると。
やっぱり問題児が多いのは···私達1年生って事になるけど。
王様と呼ばれた影山も、随分と変わった気がするし。
日向君だって、一生懸命さは継続してる。
月島君もそれなりに毒は吐くけど、でも、毒ばかり吐いてる訳じゃない。
山口君だって、今の自分を変えようと頑張ってる。
個性的···と言えば、個性が強すぎるメンバーだけど。
その強すぎる個性がひとつに纏まった時、なんか凄く···強いチームになれる予感がする。
日「イタタタタッ!影山離せ!なんでスグ頭を掴むんだよ!頭が潰れる···」
今はまだ···まだまだまだまだまだ。
発展途上中···だけどね···
騒ぎ出す1年メンバーを見ながら、呆れを込めたため息が漏れた。