第10章 烏野高校男子バレー部
しかしすぐに何かを考える素振りを見せて、あはは・・・と力なく笑っていた。
城戸の家までの道を2人で歩き出す。
その道のりを日向の話を嬉々として話す城戸を見ると、何か軽く腹が立った。
なんだよ、日向君、日向君ってよ。
そんな思考が顔に出ていたのか、城戸がオレを見た。
『影山?何か怒ってる?』
影「あぁ?!怒ってねぇよ!」
『怒ってんじゃん!もう、何で怒ってんの?わけわかんない』
影「怒ってねぇって言ってんだろ!お前こそ何なんだよ、あぁ、もう、この話は終わり!」
もぅ~、と口を尖らせる城戸を黙らせ歩いていると、城戸の家の前に着いた。
初めて見るけど凄いデカイ家だな、おい、城か?
この辺の中じゃ、1番なんじゃねぇのか?
オレん家が丸ごと3個も4個も入りそうだ。
チラッと家を見て、城戸に向かい直す。
影「家の中に入るまで、ここにいてやる。だから早く入れ」
そう言うと城戸はパッと明るい顔を見せて玄関を開け入っていく。
ドアを閉める間際にクルリと振り返り、
『影山、送ってくれてありがとう』
そう言ってニコニコしながら手を振ってきた。
オレも反射的に手を上げ返し、ドアが閉まるのを確認して、来た道を戻る。
なんだよアレ・・・
ニコニコしながら手を振りやがって・・・
(ヤベェ、カワイイじゃねぇか・・・)
最後の言葉を無理やり飲み込み、足早に立ち去る。
さっきの城戸を思い出し、口元が緩む。
オレは耳が熱くなるのを感じながら1度足を止め、肩から下げている鞄を背負い直し、また歩き出した。