第10章 烏野高校男子バレー部
~影山side~
放課後、校庭の端で練習していると、2人組のヤツらに突っかかられた。
1人はオレよりノッポでメガネのイヤミったらしいムカつくやつと、もう片方はなんかよく分かんねーけど、オドオドした感じのへんなヤツ。
誰だコイツら・・・
そう思ってる内に、話の内容からバレー部に入った感じだ。
特にメガネのヤツは、オレを知っている様で、
何かと言葉の中に【 コート上の王様 】と入れてくる。
城戸にもしょっちゅう同じ様に【 王様 】と呼ばれたりするが、それとは違う嫌味たっぷりの呼び方で。
・・・ムカつく、すげぇイライラする。
まともに張り合っていたらアホくせぇ。
そんな風に考えていると、メガネ野郎はオレ達に毒を吐いた。
【 ワザトマケテアゲヨウカ? 】
はぁぁぁぁ?!
オレが怒りで頭を沸騰させる直前、なぜか城戸が間に割り込んできた。
影「おい、やめとけ」
城戸にそう声をかけるも、聞こえなかったのか、それとも聞こえないふりをしたのか、城戸はメガネ野郎に立ち向かう。
まるで機関銃のごとく城戸が反論すると、小さな体でワァッと責め立てられたのか、もしくは的を得られたのかは分からないが一瞬黙り込む様子を見せた。
その後メガネ野郎は、城戸と日向にまたも嫌味を吐き続け、挙句はオドオドしたヤツに止められたことでシラケたのか、帰るぞと言って歩き去って行った。
オレは城戸の方を見て、女なんだから、あぁいうのやめとけと再度いうと、城戸は怒りながら反論してくる。
確かにメガネ野郎が吐き出した毒はムカついたけど、オレは城戸が向かっているのを見て、なんだか急に冷静になった。
メガネ野郎に対するイラつきは治まらなかったけど。
ふと見回すと辺りは一段と暗くなり、興醒めしたのもあって帰り支度をして学校を出た。
日向はチャリ通で、門を出てから少しすると帰る方向の違いもあり、別れた。
オレは城戸と2人で肩を並べて街中を歩く。
チラリと城戸を覗きみると、早朝からさっきまでの練習やら出来事やらで、かなりの疲労が見えた。
・・・と、いうのも。
城戸は赤信号で立ち止まる度に、目を閉じ、今にもその場でガクッと眠ってしまいそうだからだ。
どんだけ体力ゲージ少ないんだよ。
オレは仕方なく、目を閉じ俯く城戸を見る度に“ おい、寝るんじゃねぇ” と声をかけた。