第30章 ネコとカラスの対決と···
~烏養繋心side~
烏野のメンバーと音駒のヤツらが協力しながらコートを準備している。
あのユニフォーム、懐かしいな。
そんな風に思えるって事は、それだけの年月が経ってるってことなんだろうけどよ。
ー 8年振りか···何だよ烏養、その頭 ー
「うっせぇな直井!お前は変わんな過ぎだろ!」
久し振りに顔を合わせる元ライバルに、ケッと笑いを飛ばし合う。
元ライバル···いや、これからもライバル、か?
ー よぅ、繋心か ー
うわ、出た。
「お久し振りです、猫又先生」
猫「相変わらずジジイそっくりな顔しやがって」
ぐぅっ···こンのジジイ、顔合わす度に同じこと言いやがって。
オレがウチのジジイにそっくりなのは遺伝子だからしゃーねーだろ!!
しかし!
フフ~ン···オレの方が何倍もイケメン、のハズだ。
武「お電話した、武田です。今日はわざわざ本当にありがとうございます」
猫「そりゃあ、あんなにしつこく電話貰ったら、来ないワケには?」
出た出た、このヤラシイ笑い方。
このタヌキジジイ、いっつもこういう風にニヤリとしながらウチのジジイにも挑発してたっけか。
武「す、すみません···」
ほら見ろ。
真面目一直線な武田先生が、間に受けちまってるだろが。
猫「冗談ですよ、冗談。うちもこの3日間、いい練習試合が出来ました。今日も宜しくお願いします」
武「はい!こちらこそ!」
猫「相手が烏養のジジイじゃなくとも、容赦しねぇよ」
ケケッと小さく笑いを漏らしながら、オレ達を見てまたニヤリと笑って背中を向けた。
っかぁ~!
まったくこのジジイも変わんねぇなぁ!
武「烏養君、今のは僕達が早くも挑発···された感じでしょうか?」
「気にすんなって。あの爺さん、昔っからあんな感じだからな」
直「そうそう。繋心トコの爺さんといつも挑発しまくりの突っつきあいしてたっけ」
横で一部始終を見ていた直井が会話に混ざってくる。
「そういう事。いちいちあんなの気にかけてたら、ジジイの思うツボだ」
直「そうだな。それより繋心、お前今日はコーチなんだろ?ってか、あのお前が一丁前にコーチやってるとか、正直ビックリだ」
「どういう意味だ!オレがコーチ引き受けたのは、音駒のコーチがお前かもって思ったからだ。情けねぇ後輩を見せるワケにゃ行かねーしな!」