第30章 ネコとカラスの対決と···
車からはみんなが降りてきて、清水先輩はキャプテンに用事があるのか先にコッチに歩いて来た。
城戸さん、荷物重たそうだな。
そう言えば、おにぎりとかドリンクのジャグとか運ぶからって言ってたっけ。
手伝ってあげた方がいいよね、絶対。
山「はぅわぁっ!!」
ひぃぃぃぃっ?!今度はなに?!
突然モヒカンの人が叫んだせいで、思いっ切りびっくりした!
山「女子···マ、ネー···ジャー···」
女子···マネージャー?
あぁ、清水先輩のこと?
ー やったぁ!焼きそばパンGET!! ー
近くにいた1年生みたいな人が、ハイタッチしながら喜んでる?
そんでもって、焼きそばパンって何のことだ?
清水先輩が、焼きそばパン?
山「お···覚えてろよぉぉぉっ!!」
ー あ、猛虎さん!逃げないで下さいよ~! ー
···なんだったんだ、いまの。
影「お前、なんで音駒のヤツと知り合いなんだ?」
「ロードワーク中に会った。音駒のセッターだって」
正確には会ったってよりも、なんかお互い迷子···みたいな?
影「セッター···」
「うわっ」
や、やばい。
なんか影山のオーラがヤバい。
なんでコイツ、いちいちセッターって聞いただけで、そんなに対抗心燃やすんだよ。
こっちもよくわかんねぇ···
あ、そんな事より城戸さん!
さっき車からいっぱい荷物おろしてた!
清水先輩がキャプテンの所で話してるってことは、荷物は城戸さんと先生が運ぶってことだろ?
だったら、オレも手伝わないと!
って···あ···
そう決めて城戸さん達の方を見れば。
そこには既に旭さんがいて、城戸さんと何かを話しながら荷物を持ってあげてる姿が見えた。
なんだろう、この···ちょっと出遅れた感じ。
オレだって、荷物運んであげようと思ってたのに。
オレの方が先に、それを思いついたのに。
誰が荷物運びを手伝ったって変わらないハズなのに。
オレが手伝っても、旭さんが手伝っても···他の誰かがそれをやっても同じのハズなのに。
···なんで、こんなにチクチクするんだろう。
影「日向。準備しなきゃだから、早く中に入るぞ」
「おぅ」
影「おい聞いてんのか?!」
「分かってるよ!ちゃんと聞こえてっし!」
影山にそう返しながら、チクチクする気持ちがちょっとずつ増えて行った。