第30章 ネコとカラスの対決と···
澤「挨拶!」
「「 お願いシャァァァッス!! 」」
黒「っと、全員挨拶!」
「「 お願いシャァァァァッス! 」」
お互いの挨拶が辺りに響き、これから今日1日を音駒と過ごすんだと実感する。
中に入るぞというキャプテンに続いて、みんながバラバラと歩き出すのを見てオレは小走りで研磨の所へと急いだ。
「研磨!ね、ねね、音駒だったの?!」
研「あ···うん」
「なんで教えてくれなかったんだよ~!」
あの時それを教えて貰ってたら、なんかいろいろ聞けたのに!
研「だって、聞かれてない···」
いやまぁ、そうだけどさ。
あの時は道に迷っててテンション低めかと思ってたけど、いつもこんな感じなのか?
「でもあの時、またね!って言ってた!何か知ってたんだろ?」
そう、あの時は別れ際にバイバイじゃなくて、またね!って研磨は言ったんだ。
研「Tシャツに、KARASUNO HIGH SCHOOLって書いてあったから」
それだけで?
ー へいへいへーい!ウチのセッターに、何の用ですかァ? ー
研「ちょっと!」
研磨と話してると、その後からなんかちょっとヤバめな感じの人が近寄って来た。
「えぇっ!ご···ゴメンなさい···」
その見た目に思わず怯んで1歩下がると、背中にドンッと誰かが当たった。
田「そっちこそ、ウチの1年に何の用ですか、コラ?」
た、田中先輩?!
ー なんだ、コラ? ー
田「やんのか、コラ?···シティボーイ、コラ?」
だ、誰か助けて下さい!!
菅「やんのか、って。やるんだろ?これから試合なんだから。あとシティボーイとかヤメロ、恥ずかしい」
田「グッ···」
ー 山本、お前もすぐケンカふっかけるのやめろ。バカに見えるから ー
山「夜久さん···」
この怖い人にハッキリ言えるって事は、こっちの人は3年生?
夜「なんかすみません、恥ずかしいヤツいて」
菅「ウチもすみません···お恥ずかしい···」
なんか···お母さん同士みたいな会話?
清水先輩が城戸さんに、スガさんは烏野のお母さんって笑いながら言ってたから、こっちの人は音駒のお母さん···ってコト?
どこのチームにも、そういう···お母さん的な感じの人がいるんだなぁ。
なんて、そんな事を考えながら2人の会話を聞いていると先生の車が入って来た。