第10章 烏野高校男子バレー部
・・・・・・放課後。
さすがにこの時間帯になると、体育館周辺でのボールを使った練習は出来ないから帰ろうかな?と思っていたところへ・・・
日「城戸さ~ん!!!行こっ!早く行こっ!!」
ドタバタと足音を立てながら日向君がクラスに顔を出す。
それを見てか、影山が私の席まで来ると
影「おい、モタモタすんな」
・・・?
・・・え?
・・・えぇーっ?!
『ちょっと待って2人とも!放課後もレシーブ練習するって、どこで?!場所なんてないでしょ?!』
影「場所なら、見つけておいた」
日「・・・って、影山が言ってるから、早く行こっ!」
そうですか・・・
私は早く早くとせがむ日向君に手を引かれるままに影山の後を着いて行った。
校庭に出てから、テクテクと歩く。
いったいどこまで行くんだろう・・・そんな事を考え出した時、影山の足が止まる。
影「ここなら、ボール使って練習しても大丈夫だ」
日「っしゃぁぁぁ!じゃあ早く練習しよっ!!」
早朝練習に、昼休みの練習、そして放課後・・・
この2人の体力は無限なんだろうか?
正直、去年部活を引退してからというもの、春休みに入るまではほとんど運動というものをしていなかった私は、既に思考回路までがストップしてしまいそうな程に疲れていた。
午後の授業なんて、危なく手招く睡魔に連れていかれそうなくらい。
私は深呼吸と背伸びを交互に繰り返しながら、油断すると影山と目が合う。
影山はニヤリと笑って近づいてくると、ボールをクルクルと回しながら腰を屈める。
影「随分とオツカレですな?お子様はもうオネムの時間か?」
『なっ!違うから!体力無限バカの影山と一緒にしないで!』
今ので一気にやる気出た。
あぁもぅ!
体力ゲージ0になるまで付き合いますよ!
私は影山からボールをかっさらうと日向君のもとへ行きボールを打ち込んだ。
途中、影山と代わり、私はたま拾いをしていた。
始めてから時間が経っているため、そろそろ薄暗くなりボールも見えにくくなっていた。
日「影山!暗くなって来てボール見づらいから、強く打つなよー」
そう言う日向君に影山は容赦なく普通に打ち込む。
影山もよく見えていなかったのか、ボールは軽々と日向君の頭を超えそうになった。
日向君は咄嗟に両手を伸ばしボールを取ろうとした。