第29章 ネコと呼ばれる人達
その後も、入れ直したコーヒーを飲みながら二人の兄達から菅原先輩がいろいろな事を聞かれて、それにひとつずつ答えて。
気がつけば、随分な時間になっていた。
菅「あっ···と!すみません、時間見てなくてこんな遅くまで···」
慧「いいっていいって、気にすんな」
桜「俺達が引き止めたみたいなもんだからね」
菅「それでも、遅くまでお邪魔してしまって申し訳ないです。桜太さんも慧太さんも仕事の疲れとか···」
あ~、それは大丈夫です、菅原先輩。
桜太にぃはともかく、慧太にぃは普段から遊び人···もとい、自由人とか豪語してますから。
慧「つうか、もういっそ泊まってけ?」
菅「はい···は、はいっ?!」
『ちょっと慧太にぃ!』
さすがにそれはダメでしょ!!
泊まる部屋はあるけど、急にそんな事は菅原先輩のおうちの人が···
いや、そうじゃなくて!
と、とと年頃の、しかも同じ部活の···
待って、落ち着こう。
こういう時は、常識人の桜太にぃなら···きっと···
桜「それもそうだね?菅原君さえ構わなければ、一晩くらい泊まっていっても大丈夫だよ?連絡なら、俺からも家の人と話してあげるから」
ウソ···でしょ?!
菅「えと、じゃあ···」
待って下さい菅原先輩!
決断を早まってはダメですよ!!
菅「あ、でも着替えとか洗濯物が···」
そうそう、そこは大問題!
首が取れそうなほど頷けば、更なる驚きが私を真っ白にさせた。
慧「洗濯なら、我が家の洗濯機君がいるだろ?乾燥機だったあるし、着替えならオレか桜太のをとりあえず着とけよ?な?」
菅「はぁ、何から何まですみません···」
···終わった。
何がと聞かれてもよく分からないけど、終わった···
視界の端には、子機を持ってくる桜太にぃと、それからなぜがご機嫌な慧太にぃが映り込む。
桜「とりあえず保護者の方に連絡しないとね。ご両親がでたら、俺が代わるから」
慧「そうそう、親御さんとの話はマダムキラー桜太に任せとけ?」
菅「ま、マダム?!」
桜「慧太···」
慧「間違っちゃいねぇだろ?影山と日向の親御さんをはべらかしてんだろうが」
桜「はべらかせてないから。全く···俺の通り名は幾つあるんだか」
言われるままに菅原先輩が電話を掛け、少し話して桜太にぃと代わる。