第13章 迎賓と少女
電話を切ってからクロロは無言だった。
シャルナークが声をかけてもまるで聞こえないようだった。
マチがシャルナークの手を引いて部屋の外に出て行く。
「ひとまず、一人にしてあげよう。」
「団長、自殺とかしないかな…。」
「そこまで弱くないよ、団長は。多分ヒソカのことだから、明日ルルを返しに来るよ。」
マチの言葉にシャルナークは一安心し、ほっと安堵のため息が漏れた。
「一回区切りがついてよかったね。」
「団長がきついのは、これから。」
励ましも慰めも今は素通りのクロロは、これから戻ってきたルルにどんな表情で、どういう風に接するのか。
気がかりだが、遠くからしか見守れない。
二人は同じことを考えながら、それぞれの部屋に戻って不安のまま就寝した。
クロロは気付いたら部屋で座って眠っていた。
数時間経っていることに驚き、浴室に向かい、頭から水をかぶる。
明日になったら帰ってくる。
そこには、自分がいない記憶を抱えている彼女。
「連れて帰らなきゃよかったな…。」
初めて彼女と出会ったことを心底に後悔した。