第8章 携帯と少女 裏
ベッドから少しだけ上体を起こし、ルルは首を傾げた。
「あ、ああ、なんでもない。水、持ってきた…。」
ペットボトルを渡すと、ありがとうと受け取ってこくこくと飲み始めた。
ルルのその様子を見て、安堵したが、やはり、頭から離れない。
依存だけ、だったら。
他に何を求めているというわけでもない。ただ身体が欲しいだけかもしれない。
なのに、どうしてここまで不安になるのか。
「団長、今日出掛けるの?」
スーツを羽織る俺を見て、出先の居間にいたシャルにそう言われた。
「ああ。夕方か夜には帰るつもりだ。女達に一応ルルの世話を頼んでおいたが、何かあったら連絡頼む。」
色々心配はあったが、ひとまず、初めてこの日、ルルから一日離れての行動となった。