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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第8章 携帯と少女 裏


「…っ!ルル…!くっ…!」
ルルを抱いた日から、毎晩身体を重ね合っている。
まだ、まだ、欲しているのは俺だけ。
腰を打ちつける度に、彼女が涙を流す。
辛いのか、痛いのか…。
ぼーっと思いながら、この衝動が止められない。
相変わらずルルは、果てることも出来ず、俺を拒否することもなく、黙って受け入れてくれる。
この存在を無くしてしまったらどうなるんだろうか。その先の自分がわからない。
「だんちょ、さん…」
口パクで必死に俺を呼ぶのが見える。
愛おしそうに俺の名前を唯一呼ぶ存在。
いつも、恐怖か、憎しみか、苦しみか、悲しみか、そんな感情でしか自分のことを呼んでくれない。
「ルル、クロロって…呼んでくれないか?」
「く、くろろ、さん…」
涙を流しながら、口だけを動かしてきちんと呼んでくれる。
痛みを感じながらも、負の感情ではなく、自分をきちんと求めている呼び方だった。
それが嬉しくて、中で自身が弾けて白い白濁とした欲望を吐き出す。
お互い、依存でしか成り立てない関係なのかもしれないのに、何故ここまで溺れているのか。

ホームの部屋を出て、渇いてしまった喉を潤す為に、冷蔵庫に水を取りに起きた。
ルルにも、と、ペットボトルを取り出すと、未だに薄暗い部屋でパソコンと向き合っているシャルに出くわした。
「団長、ルルちゃん大丈夫?」
「どういう意味だ。」
「いや、ここ、毎日だから、無理させてるんじゃないのかな、って。」
「お前に関係ないだろう。」
冷たく言い放ち、その場を離れた。
認めたくはないが、逃げでもあった。
そう、無理をさせている。
そんなことは重々承知だった。
それでも、彼女は平気だと前戯を受け入れてくれている。
でももし、彼女が、「それを受け入れなくては捨てられる」と思ってしまっていたら?
ふとシャルの目を見ていたらそんな考えがよぎった。
お互い、依存し合う関係、それはなんと脆いのだろうか。
急ぎ足で部屋に戻り、そこにきちんと彼女の存在があるか確かめた。
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