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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第8章 携帯と少女 裏


読み書きの本の類の他に、ルルが読みそうな雑誌数点と絵を描く道具一式を買っていたのを思い出し、鞄から取り出した。
ベッドに重みを感じ、ルルははっと目を覚ました。
起きたか、と顔を覗き込んだ。
「何か欲しいものがあったら、雑誌の端をこうやって折っておけ。今度の外出の時にまとめて買ってやるから。」
と折り方を教えて、俺はまた荷物の整理を始めた。
雑誌に興味津々なルルは早速ぱらぱらと捲った。
うつ伏せになって雑誌を見ているルルに重なるように半身を腕で支えて、彼女が見ているページを覗き込む。
俺がベッドに座るように姿勢を直すと、ルルは喜んでいつものように膝に座った。
そんな彼女の姿に可愛さがこみ上げてきて、抱きしめずにはいられなかった。
細い腰に腕を回すと、髪に顔を埋めて、彼女が夢中になっている雑誌のページに目をやる。
「…携帯か。メールならもう出来るよな…?」
ルルは、けいたい?と首を傾げた。
「そうだ。買ってやる。どれがいいんだ?」
考えてみれば、街にいる間に一つ買っておくべきだった。
いつ何時、ルルが危険な目に合うのかわからない状況。
ホテルだって、今回はたまたま平気だった、というだけだ。
離れていても連絡が出来るし、メールだったら簡単なやり取りも出来る。
ルルは、ピンク色のチョコレートの形をした物を指差した。
どこかのブランドとコラボしたタイプだ。
「じゃあそれにしよう。」
俺が微笑んでそう言うと、ルルは一瞬顔を赤らめて、ありがとうと言った。
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