第6章 蜘蛛と少女
ルルに対する考えを少しまとめ、明日シャルナークがどのくらいの情報をそれで集められるか、その合計の情報を期待するしかなかった。
初めて長時間外にいたルルは疲れてベッドで眠ってしまっていた。
5分程しか間を置いていなかったのだが、会話するのもつらかったのだろう。
荷物をクローゼットに仕舞おうと、袋を持ち上げた瞬間、淡いピンク色の布がひらっと床に落ちた。
物凄く布面積が少ない下着だった。
ふとシャルナークとの電話の内容を思い出し、明日しごくか…と口元を緩ませて呟いた。
夕方、西日の眩しさでルルは目覚めた。
お腹が少し鳴った。考えてみたらあいすくりーむから何も口にしていない。
「起きたか。」
スーツではなく、ラフなYシャツとスラックスという格好でルルの横で本を読んでいるクロロが目に映った。
ゆっくり起き上がると、まだ完全に覚めていない頭を叱咤しながら回りを見渡した。
「出かけるぞ。」
背後からクロロの声が聞こえた。
そのままルルを抱き寄せて、お姫様抱っこのような体勢で部屋を出る。
ホテルのフロントを突っ切ると、今朝方乗せられた車が用意されていた。
勿論運転席にはこじんまりとシャルナークが乗っていた。
「これからお前の歓迎会やるぞ。」
とクロロが言うと車が出発した。
「もしかして、ルルちゃんも旅団になるの?」
「馬鹿な。」
クロロには勿論そんなつもりはなかった。
ただ自分の周りにいる人間をルルにも把握してもらいたかった。
今まで他の女にそんなことは一度たりとも考えたことなかったのだが、何故かルルとだけは長い付き合いになることを考えて、
会わせておくべきだろうと思ったのだ。
それ以外のことは特に考えていなかったが、ふと念の習得だけはさせておくべきだろうか、と頭の片隅で考えた。