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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第5章 買い物と少女


適当に上下20着ずつくらいをルルに選ばせ、カードで支払い、荷物を全てシャルナークに持たせて何件かの店を回った。
帰る頃になって、1階に下りるエスカレーターの前でマチが、
「あ。」
と声を出して思い出すかのように言った。
「下着…。」
「なんでそんな難易度高い買い物まで頼まれてるの!」
とシャルナークが間髪入れずに言う。
「もうこればっかりは電話しよう、電話。」
近くにあったベンチまで行き、荷物を置き、ポケットから携帯を出して電話をかける。
「もしもし、団長?」
「なんだ。」
そもそもこの買い物になんで団長が来ていない、という物凄い大きく言いたい本音を言いかけ、飲み込んだ。
「…あの、あと下着だけだから、それ買ったら帰るから。」
「そんなことで連絡を入れ…。」
「で、団長は、どんなのがいいの?」
「は?」
「は?って、団長もうルルちゃんとそういう関係なんでしょ?下着くらい一緒に選んであげても…」
「ちょっとシャル!それ以上…」
しかし、マチのその一言はもう手遅れだった。
「お前、ルルに何聞いた?」
ドスの効いた低音。怒っている。電話の向こうから殺気を感じる。
シャルナークは思わず少しだけ耳から携帯を離し、この後どうしよう、という顔をしている。
マチは首を横に振って、どうしようも出来ない、とジェスチャーする。
「おい、何黙ってるんだ。」
「寝た、って、聞いたんだけど?」
声が震えまくっているのを自分でも感じた。
情けないが、電話越しでもこの人には一生勝てないんだな、と思った。
「ほう…。それだけでそういう関係になるのかお前の中では。おめでたい頭だな。」
どうやら完全に勘違いしていたらしい。
目でマチにも合図を送る。
「いや、今知ったところで関係ないから。」
と小声でつっこむ。
「あの、すいません、それだけでして。」
小さな声で丁寧語で謝り、シャルナークは電話を切った。
「俺、次団長に会ったら殺されると思うから、荷物ホテルの下まででいい?」
「誰が運ぶんだよ!」
マチがシャルナークの背中を思い切り蹴った。
勘忍したのか、とぼとぼとルルとマチの背中をついていった。
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