第1章 始まり

「…あぁ、赤葦を初めに見た時、誰かに似てると思ったんだけど、りらだったか。」

思い出したように、やっと納得したかのように頷いているきとりちゃん。

「「…はぁ？」」

二人して似ていないと抗議するようにきとりちゃんを睨ん…眺めた。

「息ぴったり過ぎんだろ！確かに似てるわ、お前ら。」

トサカ頭が大爆笑している。
失礼な人だな。

「だよね。あの表情をほぼ変えずに喋る所とか、突っ込みの厳しさとかそっくりなんだけど。」

きとりちゃんも一緒に笑っている。
ただでさえ苛々としているのに、この状態はキレろと言われているのか。

「…殴っていいかな、あの二人。」
「俺が先に殴るんでご心配なく。」

誰に問い掛けるでもなく呟いた声を拾ったのも赤葦さん。
彼も相当苛立っているようだ。

「…あの、話してる所悪いんですけど、飲むなら飲むで早くして貰えませんかね。僕、遅くまでは付き合えませんよ。」

私達が行動に出ようとするのを遮ったのはツッキーさん。
絨毯の上には大量のスナック菓子や乾きもの、アルコールの缶飲料。

それを用意したのは勿論、さっきから空気を読んでない木兎さんで、すでに座って一本目に口を付けていた。