• テキストサイズ

【HQ】sharing.

第39章 HAPPY WEDDING


その後に執り行われた結婚式という名の儀式は滞りなく進み。

披露宴でも、大した事件は起こらず…。

いや、起こったか。

余興を木兎さんに頼んでいたから、寄せ書きをしたバレーボールが高砂に向かって突っ込んできたんだった。
その上、アルコールが入った状態で思い切りジャンプして、フルスイングした木兎さんのスーツが破けたんだ。

まぁ、この辺は木兎さんに頼んだ私達が悪い。
そう思って諦める事にした。

女友達が皆無の私にはブーケを渡す相手なんか、1人しかおらず。
妹の結婚式でやられて、自分は嫌だった演出をきとりちゃん相手に使った。

そこで、つい。

「赤葦さんと、お幸せに。」

なんて、本音が出たものだから、木兎さんと月島くんにも知られる事になり。
一部だけが、とても騒がしくなっていた。

そして、披露宴が終わる。

重たくて苦しいドレスから解放されて、身軽になった。

会場になったホテルから出て、2人で向かった先は役所。
ここで、届けを提出したら本日の日程は完全に終了だ。

流石はお役所仕事で、呆気なく受理されて感動も何もあったもんじゃない。

この瞬間まで、式も披露宴も、やると言ったからやっただけの状態だったのに。
こんなにもすぐに、やって良かったと思えるようになるなんて、考えもしていなかった。

あんなにも強引に、自分の職場の所為にしてでも、挙げてくれたのは、最初から私の為だったのかも知れない。

「鉄朗さん、有難う。」

そっと、手を取る。
お礼の意味を察したのか、握り返された手。

私は、自分の本当の家族を手に入れたのだと、ここまできて、やっと、実感した。







‐end.‐
/ 577ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp