第4章 告白ごっこ
‐月島side‐
昨日、このリビングに入ってきたりらを見た時に思ったんだよ。
絶対に、何処かで会った事があるって、ね。
確信したのは今だけど。
じっと、僕を見る目が梟谷に合宿で行った時に、校舎から見下ろしていたキレイな人と同じだ。
「…そうじゃなくて。何が楽しくて、そっぽ向いた相手に告白しなきゃならないのさ。」
今は逸らされている目を、もう一度こちらに向けたくて声を掛けた。
顔は向けてくれたけど、欲しい視線はこちらには向かなくて。
少し、腹が立ったんだ。
あまり感情を出さない君でも、予想外の事をしたら慌てる?
それとも、怒るかな?
それを見てみたくて、欲しかった筈の目を自らの手で閉じてやった。
「下、見てたので。」
そんな、冷静な抗議をされたい訳じゃないんだよ。
「顔は見てま…。」
言葉を最後まで言わせないように、その唇を塞いでやったんだ。
君の心に深い傷があるなんて、知らなかった。
これの所為で、それを皆に知られてしまう事になるなんて思ってもいなかったんだ。