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第39章 HAPPY WEDDING


‐黒尾side‐

今日からりらと一緒に暮らすようになる、記念日みたいなモンだ。
なのに、帰る足取りは重い。

木葉からの返信を隠し忘れたからだ。

相手はりらっつーの、隠して、披露宴に招待したい話は先にしていた。
かなり怪しんでたが、休みは取れるって言われたから、招待状は送って。
かなり遅れて戻った返信は、その時点で予想は出来た通りの欠席だった。

俺が勝手に動くべきトコじゃねぇのは、分かってる。
それでも、きっとりらは、気にしているから。

りらの気持ち云々じゃなくて、自分の所為で離れていった友情に対しては、罪悪感を持ってるだろうから。

アイツ等…木兎と赤葦と、仲直りして貰いたかったんだ。

りらを奪った俺の悪口でも、なんでも良い。
アイツ等が、揃って笑い合ってる姿を見せてやりたかった。

…なんて、言い訳だな。

本当は、りらが、木葉を見ても揺れないか、知りたかった。
会わせたくらいで、奪われるなら、これから先の生活が上手くいく訳もねぇしな。

こっちが本心だってのは、隠し忘れるなんて、俺らしくないミスをした事から明らかだ。

隠し忘れたんじゃない。
わざと、りらが触りそうな場所に、置いてきたんだ。

木葉本人が来ないなら、せめて、その名前にどんな反応するか見たかった。
木葉の名前で揺れなくても、疑ったんだから、ガチギレする可能性はあるな。

もう、やっちまった事は仕方ねぇな。
なるようにしか、ならねぇよ。
最悪、破談にされても、俺の所為だ。

本心を認めて、諦めの気持ちを持ち始めた頃、やっと家に帰り着いた。
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