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第39章 HAPPY WEDDING


重要なものは、大体封筒で分かる。
親展とか、私が開けて確認する訳にはいかないから、封筒に書かれている情報だけで仕分けをしていた。

その中に、1通。
異質な封筒。
いや、見た目は普通の白い封筒。
私も見た覚えがある、招待状の返信用封筒だ。

ただ、こんな束の中に紛れているのが、異質というか、問題である。
出席の返事だったら、今更どうするんだ。

慌てて中身を確認しようとしたけど、どうやら開封済みだったようで。
中身は、欠席の返事だった。

鉄朗さんが、打診もせずに招待状を送るなんて真似はしないだろう。
相手に余程嫌われていたのかと、名前を見て。

「…う、そ。」

勝手に一言だけ零れ、凍りついた。

書かれていた名前は、私も知っている人。

木葉秋紀、だった。

きっと、鉄朗さんは、わざとここにこれを置いていた。
私に、気付かせる為に。

何の為に、そんな事をしたのかは分からない。

あの人は、いつでも人の事を考えて動いているけど、私には理解出来ない行動も、かなり多いのだ。

どうすれば良いかは分からず、欠席に丸が付いているだけの返信を握り締めて帰りを待っていた。
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