第39章 HAPPY WEDDING
本来は、籍だけ入れて一緒に暮らす手筈だった。
だから、予定外の行事が入って忙しい生活を強いられる事になる。
まず、きとりちゃんの職場でプランを決めて契約して。
日取りが決まったら、披露宴に呼びたい人々に連絡をして、招待状の発送。
私の方に招待客が少ないのも、そもそも結婚式に興味がないのもバレているから、この辺は鉄朗さんが殆どやってくれたけど。
それと同時進行でやったドレス選びは、どうしても私自身が居なきゃならない事で。
きとりちゃんばかりが、はしゃいでいる状態で、彼女好みのドレスに決められた。
こうやって走り去るような日々を送り、挙式まで残り数日。
他の事に時間を割かれて、予定より遅れて私の引っ越しが完了した。
先に引っ越しを終えて暮らしている鉄朗さんのお陰で、家の中にはすでに生活感があって安心する。
元々、私は綺麗好きな方だけど、きっちりと片付き過ぎている場所は逆に落ち着かないから。
忙しいからか、片付けきれていなかっただろう手紙類がテーブルの端に乱雑に置かれているだけでも、生活の証拠だ。
でも、こういう手紙類は重要な書類があったりする場合がある訳で。
少しだけ整理しようと、それを手に取った。