第39章 HAPPY WEDDING
因みに、こんな話をしている現在の場所はきとりちゃん宅。
私の引っ越し準備をする為に来たのに、ここで苛々する事になるとは思ってもいなかった。
旅行にも興味が無いから、やりたくない意思だけを示して話し合いをしていたけど。
「やれば?ドレスなら、うちのレンタル使えばいいし。私が、りらのドレス選べるなら尚嬉しい。
りらだったら、どんなドレスでも似合いそうねー。楽しくなってきちゃった!」
都合の悪い事に、きとりちゃんが帰ってきてしまった。
どこから話を聞いていたかは不明だけど、挙式の件での話し合いなのは気付かれているようだ。
ノリノリで話に加わってくる。
私は、やっぱりどこかで、この人に対して罪悪感を持っていて。
きとりちゃんが、それで満足してくれるなら良いと、思ってしまった。
「…いいよ。きとりちゃんが、選んでくれるなら。」
「え?マジで?りらが、私の着せ替え人形になるのオッケーくれるなんて!」
「明日は雨だな。」
諦めが言葉になって口から落ちる。
余程の奇跡でも起きたかのような2人の反応に、またも苛々したけど、1度了解した事を曲げる気にはならなかった。