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第34章 episode0<epilogue>


え、ちょっ、待って。
このコ、マジモンのバカなの?

待って貰うって事は、現在は保留中。
私に電話してきたのは、家を出ていいか、って相談だったんだろうけど。
そこで、もし私が、淋しいから嫌だとか、言ったら…。
断るつもりだった?

落としたスマホを拾い上げ、息を吸い込む。

「アンタ、バカか!何で、あんだけ好きな彼氏より、私を優先すんだ!」

息と共に一気に吐き出す声。
うるさい、とか小さな抗議が聞こえた気がするけど、そんなもん無視。

「私が家を出るな、って言ったら断る気?親でもない、私の為に大切な人を諦めんの?」

気になっていた事を続けて吐き出して、静かになってしまったりらの返答を待つ。

『…大切だけど…。一緒にいたい人だけど…。
きとりちゃんも、大切だから…選びたくない。』

数分してから、りらが出した答え。

彼氏…結婚するなら夫になる人が最優先って普通の事だと思う。
それと並べるくらい大切だと言ってくれるなら、充分だ。

「…私を大切にしてくれる気持ちは受け取ったから、自分の幸せを選びなさい。」
『…選ぶのは、私だ。きとりちゃんに、命令されたくない。』
「半年以上も待たせて、彼氏の気が変わったらどうすんの?」
『その時は、その時。』
「もうっ!勝手にしろ!」

最終的には、腹が立ってきて電話を切ってしまった。
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