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第34章 episode0<epilogue>


数回のコール音の後、電話に出たりら。

『ごめんなさい。仕事中に電話して。』
「折り返ししてんだから、今は大丈夫だよ。
それより、アンタから連絡なんて珍しい事して。なんか用事があるんでしょ?」

こっちから聞かないと、中々用件を話さない所は変わらない。
こっちの用事より先に言わせようとしたけど、黙られてしまった。
何か迷っているんだろうな。

このまま、ただ電話が繋がっているだけの時間は正直無駄。
こうなると、迷った挙げ句に言わない方を選択するのがりらだ。

私が話してから、そっちの用事は何か、とした方が話しやすいだろう。

「あ、私の方の用事だけどさ。…東京に、帰るよ。来年の春に。」
『…え。』
「え、って何よ?嬉しくないの?」
『嬉しい。』

声だけだと単調すぎて、喜んでいるのか分からない。
だけど、この際喜んでいるとかはどうでもいい。
言葉を返してきたなら貝になっている訳じゃないから、今の内にりらの方の用事を聞かないと。

「まぁ、そういう訳なんで。皆には私から伝えるから黙っててね。
…で、私の用事は済んだけど、アンタの用事は?」

私の方の話を終わらせて、そのまま話を促した。

『…いい。来年の春なら、半年ちょっとだから。待って貰う。』
「待って貰うって、何を?」
『返事。』
「何の返事?」
『プロポーズ。』

やっと喋ったと思ったら、ちょっと意味が分からなくて。
質問したら、答えてはくれて。
理解は出来たけど、驚きでスマホを落とした。
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