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第33章 episode0


濡れていた木兎と私は順番に風呂に入ってから、リビングで3人で夕御飯。
それが終わっても、ツッキーが部屋に戻ろうとしないのは、一応心配してくれてると思っておく事にする。

テレビを見ながら雑談していると、玄関が開く音がした。
クロはバイトで帰りは夜中。
赤葦は実家に泊まり。
どちらにせよ、この天気でわざわざ今の時間に帰ってくる訳はない。

誰が来たのか、疑問に思って出てみると…。

赤葦が、いた。
しかも、びちょ濡れのカッパ姿で。
レインコートだとかポンチョなんて、お洒落なもんじゃない。
普通の、黒いカッパ。

そのカッパのフードを脱ぐ姿すら絵になるとか、イケメン怖い。

「きとりさん、良かった…。」

私を確認して、微笑む赤葦は、誰がどう見ても色男である。
クリスマス前の冗談にノっておけば良かった、なんてふざけた思考が頭に浮かぶ。

その思考を実現するかのように、抱き締められて。
ドキドキするより、また濡れた事を気にする私は、赤葦に惚れる事は無いのだと分かった。
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