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第33章 episode0


最悪の日、はあるものだ。
木兎は飲み会、クロはバイト。
更に赤葦まで、実家の用事があるとかでいない日に台風が本州に上陸した。

私は、たまたま休みで家にいて。
月島くんも、何も予定がないのか、家にいた。

かといって、仲良くお話をする状況でもなく、ただリビングで過ごしていた。
月島くんが、部屋に戻らないのが不思議だけど、誰かが同じ場所にいるだけで発狂はしないで済みそうだから、話し掛けない。
話し掛けたら、逃げられそうだし。

そうやって、台風と時間が過ぎていくのを待っていた。

不意に固定電話が着信を知らせて音を立てる。

私の中で、何かが崩壊しかけた。

だって、静かなリビングで人を待っている状況も。
暗くなってきた頃に鳴る固定電話も。

あの日と同じだったから。

違うのは、他に人が居る事だけ。
泣き叫んだりする、恥ずかしい所は見せたくない。
その意地だけで、震えそうになる体を抱き締めて、必死に耐えていた。
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