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第33章 episode0


新しく増えた同居人…月島くんは、ちょっと関わり辛いコだ。
例によって、木兎が用意した歓迎会も。

「僕、着いたばかりで疲れてますんで。」

と、パスし。

「まだ、こっちの土地に慣れてないんで、外歩いてきます。」

だとか。

「レポートがあるので、部屋にいますから。」

だとかで、来てから数ヶ月経つのに片手で数えられるくらいしか会話をしていない気がする。

引きこもりはしていないし、親戚でもない年上ばかりの環境は慣れないのかもしれないけど。
少しは仲良くなりたい。

私がそう思っていても、相手が思っていないから無理な話で。
しかも、そんな状況のまま、私が精神的に落ち込む時期がやってきて、それどころじゃなくなってしまった。
梅雨が過ぎ、台風が沖縄だとかを直撃し始める季節。

私は、台風が嫌いだ。
私から両親を奪った、この天災が大嫌いだ。

今でも、台風のニュースを見る度に背筋が凍るような思いをする。
そして、本州に上陸しないと分かると安堵する。

こんな上がり下がりの激しい精神状態で、誰かと仲良くしようなんて努力は出来なくなっていた。
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