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第33章 episode0


クロの彼女との待ち合わせ場所に着く。
彼女らしき人は私がいる事に気付くと、満面の笑みを向けてきた。

少し話して分かったのは、その彼女も片方だけど親を亡くしていた事。
クロも驚いていたから、初耳だったんだろう。
同時に両方を失った私の気持ちを完全には理解出来ないけど、乗り越えるのに時間が掛かる事なのは分かっていて。
その為にクロが必要なら引き離したくない、と。

私を救おうとしているクロが好き。
好きになった理由に、最初から私が含まれていたから同居については気にしない。
だけど、自分が淋しい時は貸してくださいね、なんて。
茶目っ気のある、可愛らしい顔で言ってきた。

貸すも何も、彼女はそっちなんだけどな。

いつまでも2人のデートを邪魔する訳にもいかず。
帰ろうとした時に彼女から、紙を渡された。

それには、携帯番号と【女性にしか話せない事があれば聞きますよ】と書いてあって。

彼氏の元カノ相手に、そんな事を言える彼女はイイコなんだと思う。

別れ話をした日よりも。
クロが出ていった日よりも。
戻ってきたクロと今は付き合わないと話した時よりも。

しっかり失恋を自覚しながら家路に着いた。
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