第1章 始まり
「そこまで嫌?」
「嫌。」
上から、威圧感を放ちながら言われた言葉には怯まず即答で言い返した。
「私の言う事が聞けないの?」
「少しくらい年上だからって偉そうにする人の言う事なんか聞く気にならない。」
「生意気。」
「知ってたでしょ。」
「クソガキ。」
「ガキって年齢でもないし、きとりちゃんに命令される筋合いもない。」
「女の争いってこわーい。」
終着点は私が折れる事になるのは分かっている。
それでも、嫌々やるんだ、と分かって貰う為にしていた言い合いに、口を挟まれた。
声の主に顔を向けると食事をしていた、金髪眼鏡の男がこちらを向いて嘲るように笑っている。
「ツッキー、口挟まないで。他人ばかり住ませるのは嫌だから、追い出されたくなかったらこの子説得して。」
「なんで僕が…。」
巻き込まれたツッキーさんという人は心底嫌そうな顔をしていた。
「ヘイヘーイ!そんな険悪な空気出してないで飲もうぜー!新しい住人だろ?歓迎パーティーするかー!」
そんなやり取りをする中、空気を読めない馬鹿…もとい木兎さんがリビングに入ってくる。
手には大量の缶飲料が入った袋を持っていた。