第33章 episode0
梟谷出身で、木兎とクロの1つ下は…。
あのコの、1つ上の学年の筈だ。
なら、知らない訳がない。
あの、事件を。
赤葦は、あのコを恨んでないだろうか。
結果的に、罰を受けたのはあのコだけだったけど、風評被害はあった筈だ。
私は、あのコを護りたい。
私の為に、大切なものを失っても笑った彼女を。
だから、彼女を恨んでいるなら赤葦を傍には置いておけない。
「赤葦、聞きづらいんだけど、さ。梟谷って…イジメ動画事件があった高校だよね?」
確認の為に震える唇をなんとか動かした。
「…はい。」
聞こえたのは、肯定の返事だけ。
それなら、全て質問として聞き出すしかない。
「その時、赤葦はバレーやってた?」
「やってました。」
「春高は出れた、よね?」
「はい。」
1つ1つ、確認作業を続ける。
彼女を恨んでいる、と。
そう言われたら、家族の内の1人を、私だけの感情で排除しなければならないから、本当はこんな話をするのは嫌だ。
それでも続けなきゃならない。
「バッシングとか、あったんじゃない?」
「全く無かった、とは言えませんね。」
使命感に動かされて、辿り着いた先。
この次の質問は、核心に触れる事。
怖くて、声が出なくなった。