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第3章 歓迎会


椅子は取られて座る場所がなく、テーブルの方を向いて絨毯に座る。

「お前、一応主役。一人で離れてどーすんの。」
「僕、そろそろお暇するんで、ココどうぞ。」

私の両脇を掴んで立たせる黒尾さんと、席を立つ月島さん。
だけど、逃げようとした月島さんを簡単に行かせるきとりちゃんじゃなかった。

「ツッキー、明日は何もないよね?と、言うか…皆がオフの日だよね。朝まで付き合いなさい。」

家主の命令。
これには逆らえずに立ったまま止まった月島さん。

「私、椅子は良いので座って下さい。」

手の平で椅子を示して、自分は立ったまま飲み続ける。

「そのままじゃ辛いだろ?じゃ、ココ座れよ。」

声を掛けてくれた木兎さんの方を見ると膝を叩いていた。

「何で貴方の膝に座らなきゃならないんですか。」

心底嫌だと分かるように低い声で断った。

「じゃ、誰の膝だったら良いのよ?」
「誰のでも嫌。」
「でも、一応主役のアンタが立ちっぱなしなんて皆が気を遣うから誰か選んで。」

さっきと同じく、強制力のある声。
仕方無く、椅子に座る人達を見回した。

一番安全そうなのは赤葦さん…かな。
月島さんは本当は部屋に戻りたいんだろうし、黒尾さんは本能的にいけない気がする。
木兎さんなんか食べながら話すし、動きそうだから一番無理。

「…赤葦さん、すみません。お邪魔して良いですか?」
「どうぞ。」

諦め半分で指名すると、嫌がりもせずに膝を差し出してくれた。
嫌がってくれたら、座らずに済んだのに。

小さく溜め息して、覚悟を決める。
頭を下げてから、膝の上に座った。
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