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第33章 episode0


その男性が私に気付いて、説教は終わる。
口を閉じたかと思ったら、深く頭を下げてきた。
こちらも、頭を下げて返して近付く。

「…初めまして。着いて早々お見苦しいものをお見せしました。」
「いえいえ、こちらこそ木兎の為にお呼びして、すみません。」

クロが呼んだのは、さっきの説教の内容で確定している。
人の為に呼び出されるこの人が何者なのか分からないけど、謝るのは礼儀だ。

「立ち話も何ですから、上がって下さい。…ほら、木兎もいつまでも落ち込んでないで行くよ。」

木兎の服の襟口を掴み半ば引き摺るようにして、リビングに案内するように先を歩いた。

「お。来たな、赤葦。悪かったな、いきなり同居してくれなんて話して。」

戻ったリビングで、笑いの収まったクロが気軽な感じで後ろの男性に話し掛けている。

木兎に説教したりしてたし、落ち着きのある感じがするから、2人の先輩かと思っていたけど違うようだ。
クロだって馬鹿じゃないから、自分が呼び出した先輩に対してこんな言葉遣いはしない。

それなら、同級生かな…と、思ったんだけど。

「いえ、木兎さんがご迷惑をお掛けしているのに、放っておけませんよ。高校時代、甘やかした俺達の責任でもありますし。」
「ホント、出来た後輩だよ、お前は。」

まさかの、後輩。
もしかして、まだ高校生だったりとかしないよな。

「…あぁ、すみません。紹介が遅れました。俺は、赤葦京治です。木兎さんの、1つ下の後輩になりますね。」

観察するように見ていた視線に気付かれて、自己紹介が始まる。
1つ下なら、高校生ではないだろうと安心した。
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