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第33章 episode0


それから何日か経った、ある日の夜。
3人で食事を摂っているとインターフォンが鳴った。

クロがニヤりと口の端を上げている。
これは、裏のある笑顔だ。
それで気付いた。

木兎の話から、同居人枠の空きの話になった訳は…。
だらしがない木兎のフォローが出来る人間を呼びたかったんだ。

「こんな時間に誰だ?」

木兎は何の疑いもなく、玄関を見に行く。

そして。

「…うわぁー!あ、赤葦っ!」

叫び声が聞こえた。
クロはそれを聞いて、腹を抱えて笑っている。

私は木兎が心配だから、様子を見に行く事にした。

「黒尾さんから聞きましたけど。アンタ、靴下を片付けるのすら出来ないんですか。
部活の、合宿の時と違うんですよ。あの頃は、些細な事でしょぼくれられたら困るから、俺が率先してやっていただけって分かりませんか。」

玄関で見た光景は、しゃがみこんでいじける木兎と、つらつらと説教を垂れ流している、癖っ毛の男性。
口はよく動いているし、眉が寄って怒りを表しているのは分かるけど。
他の表情筋は、仕事をしていない。

どっかで見た事あるような…。
いや、違うな。
彼とは完全に初対面だ。

誰かに、似てるんだろうな。

そんな事を考えながら、続けられている説教が終わるまで待った。
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