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第33章 episode0


‐黒尾side‐

店を出て、その場で木兎とは別れた。
アイツんち、結構緩いらしいから、多分良い返事を持ってくるだろう。

「…クロ。」

家に向けて歩き始めた俺を止める声。
振り返ってみると、センパイが立ち止まっていた。

「ごめん。クロ、嫌がってたのに、私が木兎と仲良くしてたから、許してくれたんだよね。」
「違ぇよ。」

そう、違うんだ。
これは、俺の為なんだ。

「俺、センパイの笑顔が凄ぇ好き。それを、さ。未練だと思ってた。」

下手な誤魔化しじゃ、納得しねぇだろうから、ここはちゃんと本心を伝える。

怒鳴られた時、笑った理由も。
俺の、本当の気持ち…センパイに、感情を全力で表現して生きて欲しい事も。
それには木兎が必要だから、俺の判断で同居話を持ち掛けた、と…。

全て、正直に話した。
普段はヘラヘラと、真剣な話ほど誤魔化そうとするタイプの俺だ。
信じてくれるか分からなかったが、伝わったようで。

「…クロ、有難う。」

俺の好きな、あの笑顔を返してくれた。

それが、妙に照れ臭い。

「それにな、木兎と友達でいんの、オッケーしちまったし?そうなると、俺が遅い日は木兎と飲み歩くだろ?
そんなのが、月に何度もあってみろ。食費が馬鹿みてぇな事になるぜ?」
「財布別だから良いじゃない。」
「そういう問題じゃねぇよ。」
「じゃ、どういう問題よ?」
「いくら家賃いらねぇって言ってもな、持ち家にゃ色々と掛かるモンがあるだろうが。」
「それ、クロには関係ない。」
「関係ありますー。センパイの金銭感覚が心配なんですー。」

照れ隠しで言った言葉が発端になって始まる言い合い。
2人でギャーギャー騒ぎながら、家に戻った。
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