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第33章 episode0


「そういや、木兎って実家暮らしだったよな?」

クロの投げた唐突な質問。
木兎を同居人にするのを諦めて、言わずにおいた私の気持ちを汲んでくれた気がした。

「…クロ、いいよ。」

クロが私の為に嫌な事を我慢する方が嫌だ。
だから、首を振って続きの言葉を止める。
だけど、クロの方も首を振って返してきて、拒否を示された。

「木兎が、実家出る気あんなら、頼みたい事があんだよ。」
「おう。なんだ?」
「俺な、バイトで深夜までとか、ラストまでになると帰れねぇ日も、あるんだわ。」
「あー…。きとりちゃんから聞いてっけど。あんま、遅くなって淋しい思いさせんなよ。」

2人で会話が成り立ち始めると、止められない。
途中で止めたら、意味が分っていない木兎が騒ぎだして、結局言う羽目になりそうだし。

「だから、な。俺が遅い日とか、センパイの相手してやってくんね?」
「おう!任せとけ!」
「じゃ、親御サンにも、ちゃんと話せよ?」
「…は?」
「実家出る気あんならって聞いたろ?お前もウチで同居して、淋しがりなセンパイの話し相手になってくれって言ってんだよ。」
「や、俺はいいけどよー…。サスガに同居はマズイんじゃねーか?」

木兎も意外に考える所は考えてくれているらしい。
迷っているのか、唸り声を出している。

「この、骨みたいなミイラ女とヤれんの?お前。」
「無理だな。」

そこは即答か。
まぁ、その方がクロも少しは安心するだろう。
腹は立つけど都合が良い。

ここで、私がオーケーを出せば、私達の同居生活に木兎が加わるんだ。

「今日、飲み付き合ってくれたらチャラにするって言ったよ。だから、この前の事は無かった事にしよう。
木兎が良ければ、これから宜しくお願いします。」
「おう!よろしくな!」

その場で頭を下げると、元気の良い返事が返ってきた。
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