第33章 episode0
暫く待っても、言い合いは思った通り終わりそうにない。
それどころか…。
「どーせ、黒尾は俺に勝てねークセに!」
「バレーは勝てなくても、人間力は勝ってますー!」
「なーぬー!お前みたいな未成年に負けるか!」
「たった2ヶ月差で年上面すんじゃねぇ!」
子どもレベルの争いにまで発展していた。
私の方は…。
木兎もバレーやってたんだ。
とか。
誕生日越えてるなら、二十歳だろうし、酒飲んでも平気だったな。
とか。
聞こえてくる情報で、木兎の事を知れるのを嬉しく感じていた。
でも、長々と目の前でケンカを続けられるのは、いい加減イライラとしてきて。
2人の耳を片方ずつ同時に引っ張った。
「いててっ!何すんだ!」
「ちょっ!センパイ!」
当たり前のように言い合いを止め、抗議してくる2人。
「アンタ等、そろそろ止めなさい!いつまでも子ども並みのケンカすんな!」
大声で、感情のまま怒鳴った。
「今のは黒尾が仕掛けてきたんだろー!」
「うっせ!木兎が冗談通じねぇのが悪い!」
それでも止めない2人の耳を離して、床を親指で指し示す。
「ぶん殴られたくなかったら、2人とも正座!」
「「…は、はいっ!」」
威圧的になるよう、わざと低い声を出すと、やっと2人が従ってくれた。