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第33章 episode0


‐黒尾side‐

しくった。
センパイにとって、何かを失う事はトラウマに近いもんがあるって分かってたってのに。
友人、って関係になった木兎を無理矢理奪おうとしちまった。

それで、思い出したくもないだろう事まで言わせた。
一緒に暮らしてんだから、分かってた筈だろ。
センパイが私生活で交流してる人間がいない事くらい。

何で、そんな事しちまったか。

危機感のねぇセンパイを咎める気持ちもあったのは間違いない。
だが、それよりもデカイのは嫉妬だ。

俺が護りたい、その笑顔を。
2回しか会ってない男に見せていたのが悔しくて、腹立たしかった。

だからって、泣かせてどうすんだよ。

今は、付き合ってもねぇ、ただの同居人で。
交遊関係に口出ししていいワケねぇだろ。

友達作るのも許可制とか、俺は親か。

嫌だったら、俺を追い出せば…なんて。
それは、きっと出来ないんだな。

センパイにとって、俺も木兎も大切で。
どちらも失いたくねぇんだ。

「…分かったよ。木兎とは友達でいても良い。」

やっと出た言葉は、諦めの一言。

それなのに、俺の許可が嬉しかったのか、涙を止めて。
まだ、ぐちゃぐちゃな顔のまま。
それでも、笑った。
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