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第33章 episode0


それを分かってるからこそ、怒らないで彼は謝る。

先に遅くなるって言っただろ、って言い返してもいい筈なのに。

その優しさに、いつまでも甘えていい訳はない。

「ねぇ、クロ。家族は、ごっこ遊びでやるもんじゃないよ。子どものオママゴトじゃないんだ。」

そんな事、思ってない。
血の繋がり、籍の繋がり、そんなものがない、危うい関係の家族でも。
私は、また一緒に暮らせる人が、家で話が出来る人が。
クロって存在がいる事が幸せだった。

でも、その幸せの分、失うのが怖くなる。

だから、自分から手放さないと。

クロに可哀想な人だと思われている内は、簡単には出ていってくれないだろうから。
酷い事言って、嫌われるのが手っ取り早い。

「…センパイが待ってんのは、俺じゃねーよ。でも、まぁ…これからは、あんま遅くならねぇようにするわ。ラストまでになる時は、ちゃんと先に連絡する。」

私が、わざと嫌われようとしているのも分かってる。
そして、それを拒否する言葉。
優しい手の平が頭をぽんっと撫でて、すぐに離れた。
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