第3章 歓迎会
私は雑談には加わらず、ただアルコールを流し込み続ける。
さっきの話が何故か消化しきれなくて苛々としていた。
「…たっだいまー!遅くなってごめんね。」
わいわいやっている中に一際響く声。
きとりちゃんが帰ってきた。
両手に色々なショップの袋を持っている。
人の歓迎会を言い出しておいて、自分はのんびり買い物してたのか。
先程からの苛立ちも合わせて耐えきれなくなった。
「きとりちゃん。私、今日は疲れたから寝るよ。お休み。」
立ち上がって、それだけ言うとリビングから出ようとその人の横を通り過ぎようとする。
その行動はきとりちゃんの手によって止められた。
「アンタ等、このコに何した!?」
私を掴む手が震えている。
今まで見た事もない程に怒ってた。
「な、何もしてねぇよ!?裸見ちゃったくらいで!」
木兎さんが口を滑らせている。
事情を知らない赤葦さんと月島さんはきょとんとしてた。
馬鹿じゃないの。貴方には怒ってないのに。
「裸、って木兎ぉ!てめぇ殴るぞ、コラァ!」
「きとりちゃん、それじゃチンピラ。止めて。」
本当に殴りかかっていきそうなきとりちゃんの服を掴んで止めようとした。