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第33章 episode0


クロが決めたなら、私はこれ以上は何も言わない。

理解してくれる人なんか、一生見付からないかもしれないけど。
もし、分かってくれる人が現れたなら、それは素敵な事で。
その時は、クロが好きだという笑顔で祝福してあげようと思えた。

「…な、センパイ。」

会話が終わって、静かな空間の中にクロの声が響く。
ちょっと真剣な顔をしていて、やっぱイイ男だな、とか思う私は頭が相当ヤラレてる。

「もし、俺が30になった時、お互い独り身だったらヨリ戻さね?」

真剣な顔が、いつもの胡散臭いふざけたような笑顔に変わる。

でも、分かってる。
一瞬でも、あんな顔をしたのは本気で言っているからだって。

そんな、イイ歳になってから復縁しよう、と言う意味は、きっと。

「アンタが30って、私は幾つになってるか分かって言ってる?」
「32だろ?適齢期じゃね?…そん時は、本物の家族になろうぜ。」

思っていた通りの、早すぎるプロポーズ。

きっと、守られない約束だと分かっている。

期間は10年と少し。
クロも就職するだろうし、場合によっては、この家を出ていく可能性もある。
私より優先したいくらい好きなコが出来るかも知れない。
逆に私に彼氏が出来てクロを追い出すかも知れない。

未来は誰にも分からないんだ。

人の関係も、立場も変化するものだから、成り行きに任せようか。

少なくとも、今の私には嬉しい提案なのだから、頷いて答えた。
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