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第33章 episode0


‐黒尾side‐

「…俺、センパイのその顔、凄ぇ好き。」

自然と口から出た言葉。
無意識に、こんな事を言うくらいには、この人の事を想ってる。

いや、その笑顔を、護りたいと思ってる。

俺が、彼女の為にココを出ていく事でそれを護れなくなるなら。

どちらか、選ばなきゃなんねぇなら…。

「…だから、別れるわ。」

俺は、今の彼女より、目の前のこの人の笑顔を選んだ。

「…は?」

センパイは聞き返すみたいに、首を傾げてる。

「だから、彼女と別れるって。」
「いや、なんで?」

同じ事を言ってやっても、理解が出来ないらしい。

そりゃそうだ。

俺だって、自分の未練に気付いたばっかで、本当は戸惑ってる。
でも、余裕ぶった顔をしていたい。
年齢は変えられないから、年上のアンタと並ぶ為には、これくらいが丁度良いだろ。

恋愛初心者でウブな年上女と、やたら場数だけ踏んだ大人ぶってる年下男の、付き合ってもない曖昧な関係。
それが、良い。

自分のモンにしたら、また余裕無くなって苦しい思いさせるから。
笑顔を護れなくなるから。

「センパイとの家族ごっこの方が優先なんだよ。家族嫌われて、付き合ってけるワケねぇだろ?」

未練がある、と口に出すのは彼女を悩ませるだけだから止めておく。

「…そう。クロが私優先って決めたなら、無理に出てけとか言わないけど…。」

まだ何か納得していないような顔をしているセンパイ。
言葉に続きがありそうだから、黙って先を促す。

「…家族ごっこ。理解してくれるような女の子、中々いないよ?他の女と暮らしてるって、普通に嫌じゃん。」
「そんなん、分かってるっての。まぁ、恋愛してなきゃ死ぬワケじゃねぇし?気長に待つさ。そういうコ、現れんの。」
「そう。見付かると良いね。」

他人事みたいな言い方をしていても、センパイの顔は嬉しそうで。
自分の判断は間違っていないと思えた。
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