• テキストサイズ

【HQ】sharing.

第33章 episode0


前にも使って貰っていた部屋に荷物を置いて、リビングで一息つく。
テーブルを挟んだ向こう側に、人がいるのが嬉しいと思った。

もう、失いたくない。
だから、確認しておかないと。

「…一緒にまた暮らすのは良いとして、これはヨリを戻す展開なのかね?」
「俺が学生の内は同じ事ばっか繰り返すんじゃね?まぁ、センパイが俺の事が大好きで仕方ない、って言うなら考えてやっても良いけど?」

クロは、ふざけた笑顔だ。
多分、私の答えを分かっているんだ。

恋人には、戻らないって。
戻ったら、また傷付くから。

「あー…なんか、ね。確かにクロは特別だし好きなんだけど。恋人ってよりは、家族になりたい。」
「お。プロポーズ?」
「違う。なんか、淋しかったから傍にいたクロを好きになった訳で、さ。
一緒にいて、会話してくれる存在って何も恋人だけじゃないんだよね。
クロのがキツかったと思うけど、自分も辛い思いしたからさ。恋愛はもう懲り懲りです。」
「じゃ、家族ごっこしましょ。オネーサン。」
「…それ、気持ち悪いから止めて。センパイでいいから。」

クロの事は、まだ好きだけど、その気持ちは執着心に近くて。
また失ってしまわないように、ただ近くにいられるのは‘恋人’より‘家族’であるような気がした。

恋愛の方に傾いていかないように、仕事中心に生きていく内に、家に帰ったら労ってくれる存在になった彼は、家族を一度失った私の新しい家族になった。
/ 577ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp