第32章 始まりの、この場所で(木葉エンディング)

一度話を止めてしまうと、返事の仕方が分からなくなって。

「…私を木葉さんの彼女にして下さい。」

自分から、そうなりたいと願い出た。

「…はい。宜しくお願いします…って、逆じゃね？」
「もう一度やりますか。」
「いや、もういい。…何度もやったら俺の心臓壊れる。」
「私は何度でも構いません。何度も失敗して、何度も離れても。出会う度に私は木葉秋紀に恋をします。それこそ、何度でも貴方を好きになります。
いや、貴方の事を忘れるなんて、私にはきっとないから。何度でも、じゃないですね。ずっと、ずっと貴方だけが、好きです。」
「おまっ！そういうの、恥ずかしくね？」
「全然。」
「彼女のが、度胸あってカッコ良いとか情けねぇ。こんな、情熱的な告白、中々ねぇよ。」
「女は愛嬌、ですけど。私にはありませんので。」
「知ってる。…けど、お前が好き。」

木葉さんは、ただでさえ細い目を更に細くして、幸せそうな顔をしていて。
私は、この人と一緒に幸せになりたいと思った。

１０年前に、初めて出会ったこの場所で。
やっと、私達の想いが繋がった。