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第31章 似た者同士(月島エンディング)


状況を整理しよう。
本日、私は月島くんに呼び出されて宮城県に来た。
私を呼んだ理由は、家族が会いたがっていたかららしく、しかも彼女と勘違いしていたようだ。
その誤解を解くことが出来ないから、こっちにいる間だけフリをするか、本当に付き合うかって話をしていて、月島くんの本心を言葉として聞きたくなって。

それで…。

間違いなく、告白したな、私が。

状況を整理してみても、言葉は取り消せる訳もなく。
混乱して言葉を失った私を口元に綺麗な弧を描かせて見ている月島くんがいる。

「そんなに僕の事が好きなら、りらと付き合ってあげてもいいケド?」
「…言ってくれたら、応えるよ。」

優位に立っている状態の月島くんは生き生きとしていた。
追い詰められたのは私の方だ。
最後の抵抗とばかりに、今度は気持ちに応える意味で言葉を口にする。

「言わないと分からない?僕が何とも想ってないコと、付き合うとか思ってる?」
「思ってない。」

思いは虚しく、ちゃんとした告白は聞けなかった。
だけど、ひねくれた言葉の中には、好きって気持ちが隠れているのは分かる。

「なら、それでいいデショ。ほら、寝るよ。」
「…うん。」

勿論、この月島くん相手に甘い展開なんて期待してなかった。
寧ろ、それくらいで簡単に言葉にしてきたら、それこそビックリだ。
それでも聞きたい、と思いはしたけど、言い出せずに月島くんはベッド、私は布団に横になった。
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