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第28章 諦めない気持ち(木兎エンディング)


その日の夜は、実感も沸かないままだったけど、繋がった。
まぁ、その、そういう意味で。
翌日は、朝からまた頑張られてしまって動けず。
この人と、お付き合いするのは体力勝負だと思った。



数日後。
結果は分かりきっていただろうけど、黒尾さんと赤葦さんに報告する為に家に呼んだ。

「りら、外であぁいう事を一回でもしたら、木兎さんはクセになるよ。」

赤葦さんの第一声は、お祝いの言葉とかでもなく、これで。
見てたのか、このストーカー。
と、思ったけど。

「噂になってるよ。最近、食事作りに来ないから忘れてるだろうけど、俺、近所だからね。」

違ったようだ。
考えてみれば、あんだけ大きな声で告白なんかされたら、近所一帯に知れてもおかしくない。

恥ずかしい事をした、とそこで初めて思った。





…で、赤葦さんの言っていた事は、その通り、だった訳で。

「スキありー!」

ちゅ、とわざとらしく音を立てて頬にキスを落とされる。
只今、木兎さんの希望でお出掛け中。
つまり、外にいる。

ただでさえ、2人で外を歩くと背の高さで目立つというのに、この調子である。
学生カップルなら、若いなぁ、で済ませられるけど、私達はアラサーだ。
見苦しい事この上ない。

でも、これが無くなったら逆に淋しい、とか思ってるから木兎さんに少し感化されてきたな。

隣を歩く、その人の顔を見る。
こっちを向いて、してやったりみたいな顔をしていた。

少し、仕返しをしてやりたくて。

軽く触れ合う程度に唇を奪う。

「…隙あり、ですよ。」

普段は私から、外でこういう事はしないから、木兎さんは驚いていて。

してやったり顔を返す私は、少しどころか、相当感化されていると知った。








木兎エンディング‐end.‐
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